SPEC

機体解説

LAによる海底調査中に偶然サルベージされた、いつ、誰が何のため製造したのか一切不明の機体である。自律して動くものの、KARMAとのコンタクトは全くできず、本機体が人工知能を搭載しているのかどうかさえ定かではない。
本機体は兵器らしい兵器を搭載していない。人間が近づくと口と思われる部分から消毒効果を有する霧を噴霧してくるが、何の目的で搭載されているのかは不明である。後の調査の結果、この霧にはある種のウィルスに対する強力な抵抗作用があることが判明した。
本機体に装填されているヘキサグラムは常温にもかかわらず励起光のような輝きを放っており、通常のヘキサグラムとは桁違いのエネルギーを秘めているものと思われる。
原理不明ではあるものの敵対する存在の精神を汚染し自らを守る機構を有している。分解しようとした者は例外なく精神に変調を来し、ヘキサギアによる破壊を企図してもKARMAが原因不明のエラーにより沈黙する有様であったことから、みな本機体を畏怖し、ただ仰ぎ見るだけであったという。
サルベージの数日後、本機体はまばゆい光を放つとともに忽然と姿を消し、それと同時に精神汚染やKARMAのエラーはすべて解消された。因果関係は不明だが、このとき光を浴びた者はみな汚染物質による生体への影響が治癒したという。

サルベージ時、本機体は書物や磁気ディスクなどの旧時代の遺物が入ったカプセルとともに発見された。解析したところ、かつて人類の生活を根幹から脅かす疫病が流行したことと、その苦境をどう乗り越えたかを未来の人類に伝え残す目的でカプセルが制作されたことが判明した。
プロジェクト・リ・ジェネシスにも繋がる人類の情報化の端緒…接触による疫病の流行を避けるためのコミュニケーションの電子化、遠隔での労働、人工知能による人類の代替の始まり…そして、そのような中でも「生きること」「楽しむこと」に貪欲であり続け、徹底した社会統制と自己抑制を実現する一方で疫病が流行する中にあっても代えがたい生身での接触を続けるため努力の限りを尽くし、苦難を乗り越えた人類の歴史の一端を語る、極めて重要なものであった。
書物の中には、本機体と酷似する、生物と思われる謎の絵画が含まれていた。データベースに存在しないこの生物が何なのか、もう知る者はいない。
人智を超えた事象に対して、人類はいつの世も、ただ畏れ敬うほかないのであった。

BATTLE POINT

作品応募動機／作品に対するコメント

ヘキサギア5周年ゾアテックスミュージアム投稿作品
　アマビエです。
　リアルイベントでお会いできなかった残念な気持ちを跳ね返すためにビルドしました。
　嘴が白いのはマスクをイメージしてます。正面から見るとそれっぽく見えます。