SPEC

機体解説

『どこかの世界の、いつかの時代』に存在する軍需企業『帯刀重工廠』により開発されたFAガール用武装ユニット『機動兵装』の一つ。本機はその内の航空・陸上機動兵装に属しており、同工廠が保有する機動兵装群の中では数少ない空陸両用機となっている。また名称は『懸け橋の翼』と『鬣』の意を持ち、前者は本機が従来型機動兵装の領域である空と地とを結ぶ間隙たる存在であること、後者は専属FAガールのリレィラとの合体時、彼女に鬣が生えたような外見となることに由来する。

本機は航空・陸上高機動近接戦闘特化型機動兵装に分類されており、そのカテゴリが示す通り空中並びに陸上における接近戦を重視した設計が成されている。主な運用法としては航空機動兵装［シュワンツフィーダⅢ］と連携しての電撃戦や敵陣に突撃しての乱戦等があり、単体時はラムホーンや短銃身連速ビームガン、合体時は携行兵装たるヴォーパルベイオネットを使用し、各関節の可動域を最大限に活用した曲技的近接戦闘を行うことが想定されている。このため基本構造は高機動突撃及び格闘戦に特化したジーク・スプリンガーのそれを踏襲しつつ各部を改修する形となっており、帯刀重工廠製の機動兵装としては珍しく原型機の構造の半分程度がそのまま残されている。

さらに特筆すべきは、本機背面に装備された特殊兵装［パルメニデスの杖］である。これは球殻状のT結晶充填型ナノマシンを散布、その散布範囲内に存在する全てのTCSオシレータを制御下に置く特殊領域TCSDFを生成するものであり、僚機や敵機のTCSの掌握・制御のみならずT結晶充填ナノマシンの持つ極めて高い電子吸着性質を利用した『電子の通り道』の形成、それによる遠隔的な『給電』や『奪電』さえも可能としている。ただし稼働に当たっては莫大な演算量と高度な空間認識力が要求され、『ハード・ソフト双方に十分な余裕を持つ機動兵装とFAガール』でなければ通常起動すらままならない。故に［パルメニデスの杖］は、内臓火器が少なく機体構成もシンプルな本機での専属運用が成されているのである。

小竜と少女は身を共と為し、蒼穹と大地を繋ぐ橋と化す。
それは文字通りの意味を超え、戦場を形成す歯車をも支配せし『渚』の申し子。
あるいは刹那をも追い抜く鮮鬣、隠と現を結び付けし狭間そのものである。

BATTLE POINT

作品応募動機／作品に対するコメント

ヘキサギア5周年ゾアテックスミュージアム投稿作品

初のフリービルド投稿ということで本来はフラッグシップ機の［シュワンツフィーダⅢ］を持ってきたかったのですが、諸々のレギュレーションを満たせなかったのでこちらを選択しました。
比較的シンプルな改造で原型機の面影を残しつつ大きく印象を変えられた面もあり、ある意味では自分のミキシング観に一石を投じた機体でもあります。