SPEC

機体解説

『こちらブラヴォー4！　もう持たねえぞ！』

「らしくないぜ。耐えてみせろよ……」

苛立ちと焦りを滲ませた味方の通信を受けながら「ジョン・スミス」は歯噛みする。
反乱分子の鎮圧を命じられた第4443野戦部隊は、その拠点が抱える予想外の防衛能力に苦戦を強いられていた。

ジョンは拠点の規模に比して防衛能力が高いことから、外部からのエネルギー供給を受けていると推測。
遊撃や探索、破壊工作を担当するチャーリーチームを外部施設の捜索に向かわせたのである。
そんな中、待望の通信が飛び込んできた。

『チャーリー5よりCP。作戦は成功。これより撤収する』

ノイズ混じりの報告を受けた直後、敵拠点からの砲撃が途切れる。
そのタイミングを逃すことなくジョンは部隊に前進を命じるのであった。



ハイトレーガーの改修機「ハイ・トレッカー」は第4443野戦部隊の4番機である。
「戦場では歩兵が戦局を左右する」ことは旧世紀における常識であり、それはハイテクが支配する現代でも変わらない事実であった。
本機は歩兵＝ガバナーを迅速に戦地へと送り届ける兵員輸送車としての性能を付与されていた。

原型機の無限軌道は泥濘や砂漠に対して有効だが、高速走行時に履帯が断裂する可能性があった。
本機は履帯を小径の装輪ユニットへと変更し、トラクションの確保と高速走行への対応を両立させたのである。
フロント4輪、リア16輪という構成は舗装路や荒地で高い走破性を獲得。
人員を乗せて縦横無尽に走り回るその様は、まさに高速な旅人（HIGH-Trekker）である。

ハイ・トレッカーの操縦はチャーリー4が、戦闘ではチャーリー5が現場指揮官を担当。
チャーリー5から7は通称「ナンバーズ」と呼ばれ、施設内での戦闘や工兵として帯同する。
彼らは激しい野戦が展開される裏で密かに、そして確実に自軍を有利に導くべく活動しているのだ。



立ち上る爆炎から高速で離脱する車上で、ナンバーズはサムズアップした拳を合わせていた。
そんな中チャーリー4は熱源を感知する。

「追手だな。得物は？」

「ほとんど弾丸切れだ」

「気にすんな。アレがありゃ十分だよ」

チャーリー5が装甲版を跳ね上げ、アンチマテリアルライフルを取り出す。
窮地を楽しむかのように笑みを浮かべながら、ナンバーズは迎撃態勢を整えるのであった。

BATTLE POINT

作品応募動機／作品に対するコメント

密度、重量、ギミック、完成時の満足度。
とにかくすべてがとんでもねえ！
ハイトレーガーは良キットです。どのキットでも毎回言ってないか？
レヴァナントアイのキット2個使用。前後輪合わせて20輪駆動。
思いついたら躊躇わないと決めています。