SPEC

機体解説

　人にも機械にも属し属さぬ体を持つ少年「基（ハジメ）」と出会い、共に旅立ったV-THOR「武疾（タケハヤ）」が、幾度かの戦闘と修復と学習を経て変容した、ある時点での姿。
　主に耐久力を向上させ、索敵・通信機能を広域化する調整が施されている。
　追加部品は武疾と仲違いした基が行き倒れに近い形で拾われた小規模旅団の資材から賄われ、しばらくの間、搭乗者・機体共に旅団の護衛として雇われることとなった。
　時折操縦を受け付けず、また勝利の為には型破りな挙動や攻撃を周辺の被害を厭わず実行する武疾の気性を知り、旅団は当初頭を痛めたものの、兵装を制限し、許可なくしては物理的に使用不可とする制約が、戦闘後の休息と修復を求める武疾、自衛のための戦力が心許ない旅団、そして居場所と逃げ場所を望み、武疾との旅に疲れ始めていた基の間の妥協点となった。
　以上の経緯から、両肘部に装備されていた内蔵式電磁戦術刀は取り外され、代わりに同尺の施錠式戦術刀を供与された他、掌部の砲門も通常時は封印され、動力経路は肘部に代置された推進装置へと迂回している。
　また、旅団との連携が求められる都合から、頭部と肩部には広範囲の索敵と通信を可能とする帯状視覚装置とレドーム、及びアンテナが増設され、資材の消耗と搭乗者への負荷を軽減する狙いから、関節部を中心に装甲と緩衝材が追加されている。
　強敵との戦闘をもって自己の発展を促すことを命題とする武疾にとり、元来の自由なる（操る側には制御の困難な）破壊力を制御可能な戦闘能力へと抑制する本調整は望んだものではなかったが、自身の出自を含めた記憶を失い、彷徨するさだめにある基との偽らざる対話、また共通の名付け親でもある亡き技術者との思い出を介し、この姿への変化と不自由と共に得る経験を許容するに至った。
　旅団との合流時には反目の状態にあった基と武疾が歩み寄る背景には、旅団の中でも一風変わった存在である少女の姿をしたロボット、「ヴァーゼ」の説得があったという。

BATTLE POINT

作品応募動機／作品に対するコメント

　前バージョンのRev.2306の顔を正面から見た際に目が広く見えるようにしたいという課題と欲求から、UVレジンでバイザーを自作しています。
　この先入手予定のキットから得ている着想を元に、そこに至るまでの過渡期を楽しんだ形態です。