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HEXA GRAM ヘキサグラム[HEXA G-R.A.M]

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ヘキサグラム[HEXA G-R.A.M]

“出力”“停止”“再生”を繰り返す再生型エネルギー資源
HEXAgonal (close-packed)Gear’s-Random Assemble Material

ヘキサギアの六角形型コネクタに対応した超小型汎用動力装置。結晶炉にて生成された「エレメント」を形状固定して流通しやすくした大型結晶体で、工業規格ヘキサギアの根幹を成す技術である。その特性は“出力によって減少したエネルギーが時間経過によって再生する”というものであり、複数のヘキサグラムを有し連接していれば交代式とすることで永続的に使用し続けることが可能である。
パッケージングされた外形は例外なくエレメントの最も充填率の高い六角柱型である。六角形は大自然界の秩序に適合した形(力学的構造)でもあり、最も安定した力を発揮するとされる。ヘキサグラムは単体では基底状態であるが、構造体に組み込まれることで強力なエネルギーを発生させる励起状態へと移行する。ヘキサグラムから生み出されるエネルギーはヘキサギアをはじめガバナーの纏うアーマータイプの動力源となり、その活用範囲は広大である。
まさしく人類の生み出した叡智の結晶であり生命線そのものである。
しかしながらエレメントの生成時に発生してしまう汚染物質は結晶炉を中心とした大地に浸透し時が止まったように自然物が育たない地質へと変化し、やがて結晶炉周辺は人体に有害な瘴気を発するようになる。そしてこの現象は未だ続いており資源と引き換えに居住可能な地域は減少を続けている。
軍事用途のみならず、施設や車輌等の動力源としても広く目にする機会の多い部品ではあるが、他で代用の利かない特性から重要物資として扱われる。また製造における根幹部分を結晶炉に依存するために原則的に専門の研究機関の管理下にあり、現在では一般に流通することは有り得ない。
とはいえ企業外のヘテロドックス(武装集団)も相当数を保有しており、これは戦場で鹵獲したものや企業から流出したもの、または略奪したものであろう。
略称のヘキサグラム(六芒星)は真の叡智を授けると信じられていた図形であり、人類社会の進歩に多大な貢献をするとの期待を込めて命名された。

 

ヘキサギアの駆動部を構成するアッセンブルマテリアル

ヘキサグラムを構成する「エレメント」はその構造体の接触面から連接するすべての機能を瞬時に読み取り、それに応じた形態に変化・適合する駆動系を形成する。形成された駆動系は神経接続されたかのようにリンクし情報伝達の経路としても機能する。
エレメントはナノマシンのようなサイズ、性質を持ちながら自身が活動する為のエネルギーを備えているものであり、結晶炉では人類が扱いやすいように管理制御機能を与えた。ヘキサギアはこれを各関節部などに使用した工業規格である。増設される駆動部へ組み込み、原動力と原動機を同一のものとするため、旧来の機材に見られるような燃料や電源を別途必要としないのも特徴である。
第三世代のゾアテックスヘキサギアでは獣のようにしなやかな動作を可能とする人工筋肉の形成も見られ活用できる範囲は多岐に渡る。

エレメントは内包する再生型エネルギーをさまざまな形で出力することができ、そのエネルギー効率は極めて高い。高出力動力源としては極めて小型であり、ヘキサギア等機動兵器の小型軽量化に著しい貢献をした。専門の研究機関では未だ多くの可能性を秘めているとして日々新しい活用法が発見されている。

 

結晶炉

ヘキサグラムを製造する重要施設。
地球上に建設された、エレメントの生成施設。ヘキサグラムの精製施設が併設され、現在では主だった工業都市の中枢を為すことが多い。多くの場合、地質的に適性のある地点に半ば強引に建設されており、都市中心部、山岳深奥、乾燥地帯、海洋など様々である。エレメントの生成を行い、管理制御できるようにパッケージングする為の設備を備えている施設は結晶炉だけである。この時代のエネルギー産業の拠って立つ柱であり、第一、第二世代型ヘキサギア主流の時代にはその建設を巡り企業間での抗争も勃発するなど、ヘキサグラムの技術が生み出されてから争いの火種になることが常である。現在では一部を除きMSGが保有しそのすべてはSANATが管理している。(元来最初の一基を建造したのはMSGであったがどのように技術開発し建設したかは公開されていない)リバティー・アライアンス側も少数ながら結晶炉を保有しており、その管理は専門研究機関のシュメール・インダストリィの管轄となっている。結晶炉周辺では深刻な土壌汚染が広がり人体に有毒な瘴気を発し、全ての生物相に甚大な影響を及ぼしている。結晶炉内部は特に汚染物質が充満する為、シュメール・インダストリィの職員はみな外気を断絶するための防毒スーツに身を包んでいる。
現地の住人は汚染の拡大と共にその地を退去していくために結晶炉周辺は無人の廃墟や荒野が取り残され、自動化された工場設備は今もなお稼動しているという。