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MECHANIC 機体情報

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武威登龍 “凱風快晴” BUI TOHRU “GAIFU KAISEI”

機体解説

機体の通称となっている“凱風快晴”とは、本来は極東の弧状列島を遠い祖に持つヘテロドックス出身者のみで編成された傭兵部隊の名称であり、彼らの伝承の中で語られる巨大な霊峰の名に肖った物であるという。
永い流浪と闘争の歴史と共に受け継がれてきた彼らの精神性と戦闘技術は「忘我廻廊」との適合に優れた特性を見せ、突撃時には常に先鋒を務めるその苛烈な戦いぶりと実際の戦果によって独自仕様のブイトール運用をリバティー・アライアンスに認めさせた。

機体の改装については彼ら独自の戦闘教義を反映するべく部隊の母体となったヘテロドックス集団を主体として進められ、上体を中心に重装甲を施した防御力重視、かつ敵味方が近距離で入り乱れる混戦状態での格闘戦を強く意識した仕様が特徴となっている。
このような装甲配置は機体上部に重量が偏る事から静的安定を欠き、射撃時の集弾性低下や被弾時の転倒率などから通常であれば敬遠されるものである。

しかし本機は、それらデメリットを敢えて許容した上で体術に熟達したガバナーが忘我廻廊を通して機体重心を掌握、これを自在に制御することで、こと接近戦においては原形機をも凌駕する運動性へと昇華させている。これには彼らの使う地を擦るような独自の歩法、そしてそれを機械的に強化すべく増設された滑走戦輪脚も大きく寄与している。敵味方が入り乱れる乱戦のさなかで“舞”を踊るかのごとき回避運動を見せたかと思えば、繰り出す剣戟のインパクトの瞬間には“重さ”を最大化させ確実に敵手を仕留めるその殺法は、彼らが戦火の下で決して手放すことなく磨き続けてきた実戦的な刀剣類による戦闘技術をヘキサギアという最新の兵器環境に適応進化させたものといえよう。
また独自に鍛刀した「撃発式超大型戦術刀」以外にも各々が得意とする槍や薙刀、投擲短刀、果ては長弓を模した武具を再現製作し相互に複雑に連携し戦う様子も見られ、これらは総じて「人型ヘキサギアを用いた白兵戦闘の極致」とすら言われるほどの見事さであったという。

しかし、斯様に究めて実践的でありながら同時に人としての体術を極め、忘我回廊に高い適性を示す彼らにしか運用できない機体構成及び戦術は、リバティー・アライアンス上層部からは「前提条件としての属人性が高すぎる故に一般化することは不可能であり、また射撃戦闘の機会も多い戦場において、あくまでも十全な後方・側面支援あってのみ成立しうる」とも評価されており、従来の正規部隊で積極的にこれを採用するような動きはない。

彼らが愛機と己自身に課す「武威登龍=武威を以て龍たらん」という言霊は、リバティー・アライアンス内におけるそうした特異な立ち位置に対する反骨と自負の顕れであったのかもしれない。流れ着いた異境の空の下に在ってなお武人たる姿を追い求めて止まない「紅き龍」の群れは、思い思いの具足を纏い居並ぶ砲列の槍衾を野火の如く喰い破る。猛き雄叫びと共に。

武器解説

撃発式超大型戦術刀

ブイトールに装備されている「荷電式超大型戦術刀」とは異なり、斬撃よりも破断を、切れ味よりも耐久性を求めて打たれた太く無骨な戦術刀。両肩の後方にそれぞれ一振りずつ装備され、たとえ一方が破損した場合でも懸架アームの展開機構により素早く戦闘に復帰する事が可能となっている。戦闘では外観通り“碑晶質の刀剣”として用いられ、そのままでもその質量と硬度によって十分な破壊力を持つが、峰の部分に装填された三本の大釘型ヘキサグラムストレージから任意で刀身である碑晶質にエネルギーを充填、接触の瞬間に解放する事で打撃力を飛躍的に高める特殊機構を搭載している。ストレージ一基当たり十合前後の撃発が可能。

大釘型ヘキサグラムストレージ

戦術刀に瞬間的に高エネルギーを発生させることに最適化するため、ヘキサグラムをエレメント状態で封入したエネルギーカートリッジ。二振りの戦術刀に装填された合計六基の他に左右の大袖後部にも各一基ずつの予備が格納されており、戦闘中の副腕による換装、またはこの大釘その物を投擲あるいは直接相手の機体に打ち込み撃発させるという使用法も取られている。ただし、後者の場合は高出力のエネルギーに至近距離で暴露するため、使用者自身も多大なダメ―ジを覚悟する必要がある。

滑走戦輪脚

カカト部分に追加された動輪機構ですり脚による歩法を機械的に発展強化させることで機体に高い機動性と旋回性能を付与する装備だが、未熟な者が使用すると転倒を招く。動輪部、基部共に高い耐久性を誇り、前腕部に増設されたブレードと共に二刀を喪失した際の徒手格闘戦にも用いられる。

腹部補助腕

腰部を起点に腹部を取り巻くように配置された補助腕は複数の関節と簡易マニュピレーターを備え、大釘型ヘキサグラムストレージの交換の他、機体の重心制御の補助や小型火器を装備するなど、ガバナーそれぞれの得意とする戦技によって様々に応用される。

特殊強化処理鎧甲

特徴的な紅い色の装甲は、かつてレイティング・ゲームにおいて活躍した第2.5世代可変ヘキサギア「レッドアラート」と同質の装甲表面コーティングに由来している。ただし、レッドアラートでは軽量化の為に低下した装甲強度の底上げとしていた所を、“凱風快晴”では増設した装甲に加えて更に防御力を向上させる意図で施されている点で異なっている。なお、同じく紅い装甲を纏い、刀剣での格闘戦に固執したとされるレッドアラートとの関連については不明となっている。

イグジット・スライダー

通常のブイトールでの腰部への装着と異なり両肩外端部に装備され、主に前方への加速と進行方向への防御力の集中を主眼に置いた配置へと変更されている。ただし、配置箇所及び装備数はガバナーの扱う武具に合わせて変更される事もある。

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