バルクアームα “ルクスエイプ” BULKARMα “LUX APE”
機体解説
人型二足歩行ヘキサギアの先駆けとして登場し、膨大な種類の派生機体と共に史上最も普及し長く使用された「バルクアームα」シリーズのバリエーションの一つ。バルクアームαが当初は作業用重機として開発された経緯からもわかる通り、人体を拡大すると同時に高いトルクと安定性を備えた基本構成は戦闘以外の幅広い作業に対しても高い汎用性を持っていた。
本機“ルクスエイプ”の正体は、広く流通したバルクアーム系列のフレームを流用しつつ同シリーズの代名詞とも言える重装甲を廃し、軽合金製の簡易ボディーシェルへの換装と腕部エクステンションパーツ、そして特徴的な大型バケットアームを搭載する事で民間用も含めた土木作業用機体としてリビルドする為のサードパーティ製オプションを装備した姿……“だった”物である。
飛び散る土砂を防ぐ以外はほぼ装甲としての用を為さない外装による軽量化の恩恵は通常のバルクアームタイプでは及びもつかない軽快な運動性をもたらし、ベース機体の高トルクはそのままに延長された腕部は格闘戦に用いれば高い打撃力を発揮する。何よりも長い腕を外部オプションである種々雑多な工作機械に換装されたその外観こそが「民生用の作業重機である」というある種の迷彩効果を持つことからリバティー・アライアンスとMSGヴァリアントフォースのどちらにも属さないヘテロドックス達が求めるゲリラ戦力としての最適な姿となった。
彼らが使用する機体の中にはそのなけなしの外装すら捨て去り、代わりに暗視能力を高めたセンサーヘッドのみとした機体すらいるという。しかし、たとえ手にする火器がかつて大量に流通した安価のみが利点のサブマシンガンや光を反射しないよう黒く塗装されたヒートナイフというありふれた物であっても、廃ビル群や山岳部の断崖で闇に紛れて襲い来る猿のごとき影は2大組織の正規部隊をして侮れば手痛い損害を受ける程の脅威となったのである。
服わぬ民の戦士たちが、今宵も闇に紛れ自らを猿神たらんと疾駆する。
黄昏に沈む世界に在ってなお己が自負と独立を護り抜かんがために。
武器解説
バケットアームユニット
本来は土木作業用として開発されたオプションユニットであり、外観の通り土砂などの掘削を目的としているが、器用さを優先して直接的に格闘には用いることができなくなったマニピュレーターに代わる打撃武器としても使用される。
長いリーチと頑健な構造が遠心力を伴って振り下ろされた際の破壊力は侮ることはできない。
サブマシンガン
メーカー出荷状態のバルクアームシリーズに標準装備されていたサブマシンガン。
性能としてはごくありふれた実弾兵器であるが、本体の流通量に比例して戦場跡等で容易に入手可能である事から広くヘテロドックスへも行き渡る結果となった。
ルクスエイプではセンサーユニットとの同期性能への強化が施されている。
ヒートナイフ
メーカー出荷状態のバルクアームシリーズに標準装備されている格闘武器。
サブマシンガンと同様に入手が用意である事から、複数を装備した上で刺さったナイフを敵の機体に残したまま次の一本を取り出し戦闘を継続するといった使い捨ても多く見られる。ルクスエイプでは夜間の戦闘を想定しツヤの無い黒い塗装が施されている。
