設定解説

GOVERNOR－ガバナー。それはヘキサギアの構築を行い機体に搭乗する兵士の総称である。彼らは兵器と戦術に関する広い知識を有し、状況に応じてヘキサギアの構成を最適化し、自ら出撃して前線に立つ精鋭である。

 

再生型エネルギー資源「ヘキサグラム」を生み出す結晶炉が建設されて以来、人々は枯渇し始めた旧来の資源をあっさりと放棄、瞬く間にあらゆるものがヘキサグラムに置き換えられる新時代に突入した。未来に希望を見た人類だったが、やがて人の欲望は加速し“環境管理AI”の制止を振り切って結晶炉を巡る利権争いが始まる。資本と技術力を持った巨大企業は独自に開発した戦闘用ヘキサギアを各地に投入。抗争は激化する。

そして結晶炉は紛争の火種になっただけではなく、静かに人類の住処を汚染、徐々に大地を蝕んでいった。人々は大地を汚染し続ける結晶炉の周辺で活動する為に、アーマータイプと呼ばれる極限環境に対応した装甲服を開発、着用し戦闘任務に臨むようになる。

 

アーリーガバナーとは第三世代ヘキサギアと共に現在の主流となったアーマータイプが存在しなかった頃、すなわち結晶炉による汚染が現在よりも遙かに軽微であった時代の従来的な装備品を纏った“ガバナー最初期の姿”である。

当時はバルクアームのような操縦殻を持つ重装甲型のヘキサギアを始めとして機動兵器の運動性が現在の第三世代ほど高くはなく、搭乗員保護の重要性も今より低かった。また人類の総人口がずっと多かったために兵士の数も潤沢に調達できた時代でもあった。戦闘職種におけるガバナーという概念はまだ浸透しておらず、一般の将兵にも彼らの装備は幅広く支給されていた。秩序だった軍事組織の中でヘキサギアの現場判断での組み換えはまださほど行われておらず、装備の増設や換装が主であったとされる。やがて戦況そのものが荒廃し、壊滅したヘキサギア部隊が統廃合を繰り返しながら各地を流転するうちに保有しているヘキサギアを本来の仕様で維持していくことが難しくなると、機体自体を解体・構成して戦力の再編成を図るようになった。この頃からガバナーという呼称は通常の兵士と区別する形で定着するようになり現在に至るという。この時代を生きたガバナー、すなわちアーリーガバナーの中で現在まで残る者はほとんどいない。しかし彼らの残した戦訓は受け継がれ、その装備は今でも使われ続けている。

アーリー79(汎用戦闘装備品類・標準仕様)

アーリー７９と呼ばれる装備は旧くから使われ続けてきた軍用衣服をヘキサグラムに対応させたもので、後に登場する極限環境作業服を装甲化したポーンなどとはその出自から根本的に異なる。当時の環境を反映して装甲防御力は元より閉鎖した生命維持系も持たず、多くの兵士に等しく高品質な装備を行き渡らせるために簡易で軽量、生産性に優れ、低い技術とコストでも安定して供給できるよう作られた。思惑通り一般の将兵にも多く支給されたこれらの装備はやがて離散し、企業保有の軍事力以外にも各地のヘテロドックス・軍閥から流浪する武装難民まで多くの人々の手に渡ることになる。現在でも様々な企業が製造を続けており、ヘキサギアに搭乗しない一般兵でも多くがこの装備を着用している。

アサルトライフル

一般的な自動小銃。高速ライフル弾を使用し、照準器を取り付けて距離３００m程度であれば狙撃までこなす。設計は非常に古いが堅牢で、寒冷地から熱帯、洋上まであらゆる戦場で使用されている。弾薬が他の銃器と共通化されていることもあって、流通量は天文学的な数に上る。

PDW

ブルパップ式の銃器。使用弾薬はアサルトライフルと共通であり、個人防衛火器と言われるものの火力で劣るものではない。取り回しの良さからガバナーが補助的な火器として携行することもある。

サブマシンガン

一般的な短機関銃。拳銃弾を使用する小型の火器で携行性に優れ、室内など閉所での白兵戦に威力を発揮する

ハンドガン

一般的な自動式拳銃。設計の古さはアサルトライフルと同程度である。最も小型の銃器で、市民などの非戦闘員でも自衛の為に所持していることが多い。

コンバットナイフ

戦闘用の短刀。単純なナイフで、格闘に用いられるほか日常の様々な作業に使用される。

チェストリグ

アーリータイプが腰に装備する小物入れの一種。予備の弾薬や医薬品などを収納しており、中央のものは左右に手榴弾を吊るしている。

アリスパック

多目的軽量個人携行装備。一般的な野戦装備で、水・食料・弾薬、その他予備的補助的な様々な物品を運搬する。大型の長距離通信機を収納する場合はアーリータイプ背面に装填されたヘキサグラムを電源として使用する。