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MECHANIC 機体情報

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ヴェローチェ VELOCE

機体解説

ヴェローチェは2.5世代に区分される可変型の戦闘用ヘキサギアである。リバティー・アライアンスの正規部隊を中心に配備が進められており、主に第三世代ヘキサギアとの混成部隊で運用されている。
開発・製造元は秘匿されているが、そのヒロイックとすら言える特徴的な外観からマクスウェルギアーズの関与がささやかれている。システムコンバートによる機体特性の変化やBMI制御の実装など同社がかつて手掛けたバルクアーム・グランツと共通するコンセプトが散見されるが、本機は明確なベース機体を持たない完全新造機体であり、その内部構造は大きくかけ離れたものとなっている。
その最たるものは、三種の異なる形態を有することであり、同時にこの特徴こそが第三世代ヘキサギアが主流となった時代にヴェローチェが登場した理由である。

同機の最も標準的な形態である“ヒューマノイドモード”は地上での白兵戦闘を主体とする形態であり、高い運動性に基づく柔軟な戦闘行動が可能となっている。腕部全体を砲安定化装置として用いる事で広い射界を確保しており、特徴的な巨大な肩部装甲は腕部の動作を阻害しないよう独立した作業肢によって直接背部へと接続されている。
下肢は接地面積を最小化し、脚部後方に配置されたアシストホイールによる走行も可能となっている。その結果として不安定化した重心の制御はBMIによって管理されており、市街地など限定的ではあるものの水平方向への高速移動を特長としている。各部はこれらの特性の実現と同時に他の2形態へとシステムコンバートする為の複雑な可動機構を多く含み、それ故に発生するさまざまなデメリットすらも甘受したうえで大柄かつ“ヒト型”と称するには奇異とも言える構造として帰結している。
しかるに、本形態はブイトールのような“ヒトの模倣拡大”とは本質的に異なるものであり、人型形態の性能のみを以て同列に比較することは意味を為さない。

ヒューマノイドモード

同機の最も標準的な形態である“ヒューマノイドモード”は地上での白兵戦闘を主体とする形態であり、高い運動性に基づく柔軟な戦闘行動が可能となっている。腕部全体を砲安定化装置として用いる事で広い射界を確保しており、特徴的な巨大な肩部装甲は腕部の動作を阻害しないよう独立した作業肢によって直接背部へと接続されている。

下肢は接地面積を最小化し、脚部後方に配置されたアシストホイールによる走行も可能となっている。その結果として不安定化した重心の制御はBMIによって管理されており、市街地など限定的ではあるものの水平方向への高速移動を特長としている。各部はこれらの特性の実現と同時に他の2形態へとシステムコンバートする為の複雑な可動機構を多く含み、それ故に発生するさまざまなデメリットすらも甘受したうえで大柄かつ“ヒト型”と称するには奇異とも言える構造として帰結している。

しかるに、本形態はブイトールのような“ヒトの模倣拡大”とは本質的に異なるものであり、人型形態の性能のみを以て同列に比較することは意味を為さない。

ビークルモード

六輪を備えた“ビークルモード”は、主として地上での高速移動に最適化した形態である。他の二形態と比して長距離・長時間の移動に伴うエネルギー効率に優れており、本形態を以て戦闘部隊の主戦力となるゾアテックスヘキサギアと歩を合わせた行軍を実現している。

きわめて低く抑えられた全高は被発見率や被弾率の低減にも貢献しており、主兵装であるプラズアサルトマライフルの使用も可能であるためヴェローチェに搭乗するガバナーは戦闘機動を含めて最も長い時間をこの形態で過ごす事となる。配備当初はメーカープリセット状態の最低地上高の低さから不整地での走行能力を危惧する声もあったが、設定の変更で車高の調整が可能と判明して以降はガバナー間でセッテイングの共有が行われた。中には、戦闘中に車体前後の車高を変える事で固定武装となるプラズマライフルの俯角、仰角調整を行う猛者も存在したという。

インターセプターモード

本機最大の特徴となる“インターセプターモード”は航空技術の衰退によって“防空”という概念すらも希薄となった時代において、第三世代ヘキサギアによって復権しつつある飛行型機動兵器への対抗策の一つとして案出された。それは同時に「陸戦型のヘキサギアに対空迎撃能力を持たせる」という無理難題に対する技術者たちの意地と浪漫の産物でもあった。

その構造は極めて単純明快である。機体後部左右に配された大出力の推進装置によって一気に高空へと上昇し、然る後その位置エネルギーを空力制御によって速度へと置換しつつ滑翔する。左右一対の大型エアマニューバスラスターは瞬間的な大出力に優れる一方でこれを長時間持続することは出来ず、空中機動用のサブスラスターは備えるものの完全な動力飛行となると極めて限定的なものとなった。結果として、初期上昇時の暴力的ともいえる加速Gはただでさえ少ない空戦経験のあるガバナーの中から更に適合者数を絞る結果となり本機の配備を遅らせる一因となっている。高い空間認識力と一瞬の接敵機会を逃さない高度な判断力を併せ持つ選り抜きのガバナー達は相応に癖の強い人格を持つ傾向が強く、整備士が機体の負荷を心配してやめるように何度懇願しようとも空中でヒューマノイドモードへ移行し格闘や近接射撃を行うという曲芸紛いの戦術を取る数寄者もいたという。
 
「見つけたーっ! 空中機動中のヒューマノイドモードは厳禁って、私は何っっっ度も言いましたよね!?」

親子ほど歳の離れた整備士の声が二日酔いで曇った男の脳を揺さぶり、覚醒させる。

「あぁ? しようがないだろ…アレが“俺達”にとって一番生き残る目がある戦い方なん…」

「あぁっ! かわいそうなヴェローチェ……今ピッカピカにしてあげるからね!」

「……会話にならねぇ。まぁ、無茶に付き合ってくれた相棒だ。宜しく頼むよ」

武器解説

プラズマアサルトライフル

「特殊な構造とBMIの補佐による、高い自由度を持たせた砲架としての腕部」。ヴェローチェの持つこの特質を最大化するため、専用設計のプラズマアサルトライフルは片腕のみで把持する事を前提として設計されており、ガバナーによっては左右で個別の標的を同時に射撃することも可能だという。携行火器としての特性に関しては、主に中距離での戦闘を想定し、一撃の威力に特化した調整が施されている。これはインターセプターモードで機体に固定された状態でのすれ違いざまの射撃による一撃必殺を企図したものである。また、ビークルモードでは車体中央に埋没するような形で固定配置されるため、車体前後の可動機構を用いた姿勢制御によるアンブッシュからの支援砲撃が主な使用法となる。

大出力型エアマニューバスラスター

ヴェローチェの特徴的なシルエットを形作るユニットであり、特異なコンセプトを実現せしめた推進装置。短時間の大出力稼働に特化しており、主としてインターセプターモードでの緊急展開時に使用される他、ガバナーによってはビークルモード時に後輪側方へ噴射する事でいわゆるドリフトのような回避挙動に用いられる。
ヒューマノイドモードではその全高の高さから被弾のリスクが高く、高重心によって使用自体も難しい事から肩部装甲によってこれを防護する形をとっている。

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