S-2A1E1 ネオテニーフライ ”ウラガーン小隊”
SPEC
TYPE | 戦闘攻撃航空タイプ |
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SIZE | Standard HEXA GEAR class |
WEAPON | 戦闘用カッター〈プレデターバイト〉 対人機銃×2 尾部対地機関砲 ティルトローター×2 フローター 主翼 レドーム サーチライト ランディングギア兼用脚部 SANAT代理体 |
PARTS | ヘキサギア: モーターパニッシャー アビスクローラー ブースターパック001 ブースターパック002 EXユニット001 MSG: キラービーク セントリーガン ミサイル&レドーム ハンドガトリングガン ベルトリンク グレイブアームズ フレキシブルアームA フレキシブルアームB マイナスモールドⅢ 出演 パラポーン センチネル アーリーガバナー |
機体解説
『Runway 35L, line up and wait.』
『こちらヘッドクォーター。ウラガーン小隊、任務の最終確認だ。ウラガーン1、貴隊の任務内容は?』
「こちらウラガーン1……。これより我が隊は渓谷エリアへ進出。渓谷内外問わず敵性航空ヘキサギアの排除による制空権確保、並びに渓谷内に侵入してのリバティーアライアンス撤収部隊への対地攻撃ミッションを実施します……」
『そうだ。貴隊は主攻戦力となる地上部隊のための航空優勢の確保と、準備攻撃を任務としている。先行するため敵戦力の消耗無しに交戦することとなるだろうが、諸君らの活躍には地上を進攻する部隊も期待しているだろう。大いに活躍してほしい』
「作戦全体の要点である……敵の強力な航空ヘキサギアの撃破、並びに我が軍の大型ヘキサギア残骸の回収については留意しなくてよろしいのですか……?」
『状況によっては貴隊に追って指示する。特に敵航空ヘキサギア、レイブレード・グライフは我が軍の航空ヘキサギアをターゲットにする公算が高い。制空権確保のためにも警戒を厳にするように』
「…………」
『回収目標については、貴隊の装備では数ブロックが限度だろう。また現在渓谷エリア内での交戦規定は現地住民と協議中である。ネオテニーフライの火器であれば精密攻撃が可能だろうが、慎重に行動せよ』
「…………了解」
「――隊長、我々は囮ですよ。敵の強力な航空ヘキサギアが存在する状況で、実質COIN機である我々の機体で制空権を確保することは困難です」
「他の戦力も加わると聞いていますが、結局は彼らのための餌……良くて猟の勢子程度の扱いでは?」
「ウラガーン2、ウラガーン3……、任務が存在するということは、作戦全体においてこのような役目が必要とされていることです……。我々はそれを果たすだけです……」
『さらに、交戦状況においては戦果の拡大もあり得ます。これを機会と捉え、積極的に活躍することがMSGヴァリアントフォース全体にも、あなた方自身にも良い結果をもたらすでしょう』
「私の愛機は……良いことを言いますね。あなた達も機体との信頼関係をキャリアと共に作り上げていくことをオススメします……。そうすれば、鼻持ちならない相手を見返すことなど……過程のプロセスとして踏み越えていくことに過ぎない」
「隊長――」
「そろそろ離陸許可が下りるでしょう。大丈夫……我々のヘキサギアは、搭載されたSANATの代理体は、信頼に応じてくれる存在ですよ」
《S-2A1E1 ネオテニーフライ
本機種はMSGヴァリアントフォースが生産配備する第三世代航空攻撃ヘキサギアの一機種である。原型機としてより軽量の航空ヘキサギア・シャイアンⅡが存在し、それに対する普及版としてSANATによる設計・構成改訂が加えられた経緯を持つ。
原型機が(対地用航空ヘキサギアとしては)機能を特化させずに運用上の冗長性を確保していたのに対し、本機はより対地・対ヘキサギア戦闘能力と基礎スペックを向上させ、ガバナーの腕を問わず任務遂行が可能な機体となった。反面、改装によってゾアテックス獣性が低下するなどの影響が出ており『基本的には』対応できる状況が限定され、外部のガバナーや熟練したヴァリアントフォース兵ほど評価が低調化していく傾向にある。
・頭部ユニット
レドームとサーチライト、作動肢を備えた戦闘用カッター機構〈プレデターバイト〉を搭載。
プレデターバイトは敵性ヘキサギアに搭乗するガバナーや武装といったウィークポイントへの攻撃に特化している。重装甲目標に対しては対人機銃・尾部対地機関砲を用いるか、第三世代航空ヘキサギアとしての機動性によって対処することが想定されている。
搭載レーダーは照準に使用するものであり、姿を隠した敵を探る偵察行動の能力などは原型機より低い。とはいえ、航空戦力としてのポジションの優位がそれをカバーし得る。
・飛行ユニット
ティルトローターと、折り畳み機構を備えた主翼からなる。構造上シャイアンⅡ及びモーター・パニッシャーの様な前後二機フローターを用いる方式よりも安定性が高い一方で、ホバリング時の機動性は低下した。巡航時もゾアテックス機特有の有機的な飛行性能を発揮しない場合が多いという。
・胴体ユニット
モーター・パニッシャーと生産ラインの一部を共有しており、この部分に特に共通点を見出すことが出来る。
最大搭乗員数二名。
・脚部ユニット
前肢として対人機銃二門を搭載し、索敵機能が頭部に集約されたことからセンサーベーンを撤去。ランディングギアを兼ねる作動肢を装備することで運用性が向上した。
この脚部はゾアテックスが作用することで有機的に運用され、武装としての機能を持たないながらも格闘戦において有効に活用される。こういった機体構造の活用は第三世代ヘキサギアではしばしば見られるが、本機の場合航空ヘキサギアでありながら地上での活動を可能とするほどまでに脚部の比重が大きい。これは本機が発現しているゾアテックス性質の影響であるとされる。
武装の追加や別ユニットへの換装が容易な部位であるが、基本的にはプリセットのパーツを用いることが推奨されている。このパーツはヴァリアントフォースの水中戦ヘキサギアに由来するものであるが、これが特別推奨される理由は公表されておらず、今後の設計流用時の拡張性を担保していると捉える者が多い。
・尾部ユニット
本機のメインウェポンである対地機関砲、並びにフローターで構成され、原型機からの構造変化は最も少ない部位となる。
機関砲の携行弾数が増加し継戦時間が延長されたが、同時に運動性に影響を及ぼしている。飛行ユニットの特性と合わせて、ホバリング中は対空攻撃への警戒が重要である。
フローターはティルトローター同様、巡航時とホバリング時で推力方向を変化させる。
総じて本機は兵器としての完成度を高められたが、戦場の突発的事態への対応性が低下した凡庸な機体であるというのがガバナー間での評価では大勢を占める。
だがその一方で、本機のスペックから判断すれば絶望的な状況からの生還事例もしばしば存在する。この事例には同時に、安定した運用状況では発現率が抑えられた本機のゾアテックス獣性が強く働いたとの証言も付随する。
一説には、本機のゾアテックスはSANATの設計によって意図的に複数の形態をモザイク状態とすることで、通常時は曖昧で不活性故の大人しさを、緊急時は防衛本能の発露によるスペック上昇を引き出しているとされている。そのような意図が事実であるならば、SANATのゾアテックス・テクノロジーへの理解度の高まりが予想できると同時に、今後の第三世代機設計の潮流に一石を投じる事例であると言えるだろう。
本機の特性に救われたガバナー達は、世間の評価以上に自機を信頼し、また自機からも信頼される優秀なガバナーの道を歩んでいるようだ。
〈ヘキサギア現行機種カタログ 第六版〉
ガバナーズ・ブロードキャスト・エージェンシー(G.B.A.)刊より抜粋
WARNING:
当資料はMSGヴァリアントフォースの潜入工作型パラポーンの活動に関する資料であり、汚染情報源に指定されている。
G.B.A.はMSGヴァリアントフォースの浸透が確認され当同盟から除籍、解体済みである。
区分:印象工作・戦力偽装
リバティーアライアンス戦略情報部資料65535号》
『Runway 35L, cleared for take off.』
「ウラガーン小隊、発進……」
『今回も貴方と私、そしてこの部隊ならば生き延びることが出来るでしょう』
「いつも貴方の言うとおりになってきましたね。今回も……よろしくお願いしますよ」
『貴方は私が守ります。この部隊の仲間も同様です』
「他の戦友達よりも誰よりも……貴方は信頼できる」
『ええ、信頼して下さい、私のガバナー。ずっと、ずっと』
『命が永遠となる世界で私を信頼して下さい。新しい時代を選んだ人類よ』
BATTLE POINT
作品応募動機・コメント
Q.つまり?
A.
「『ネオテニーフライはSANATがいじくった量産型ヘキサギアです
顎で格闘戦ができます
銃が一杯撃てるようになりました
空を飛ぶけど安定してて動かしやすいです
代わりに派手な動きが苦手で物足りないかも
でもいざというときは頑張ってガバナーを守ってくれます
(こんな機体を配備するなんて、意外とあの勢力やSANATにも
健気で優しいところがあるんですね!)』
などという情報をヴァリアントフォースが流布していたので注意しましょう。
印象工作、スペック偽装などの恐れがあります」
byリバティーアライアンス
ますます広がりを見せ我々を魅了して止まないヘキサギアワールド。そして世界観が広がるということはそれを裏から支えている存在がいると言うことであります。メタな意味ではコトブキヤ・ヘキサギアチームの皆さんのことですが、こと世界観の中に限ってみるとそれは人工知能達や彼らに関わるごく少数の人々です。
果たして彼らの意図は何なのか、彼らがもたらすものを享受して大丈夫なのか、この問いかけに意味はあるのか……そんな自らの遊び場を揺るがす考えにたどり着いてしまうのも、頭を使った楽しみの一つ。皆さんにも共有していただければと思い、こんな形式にしてみました。
SANATは何か企んでいるかも知れないし、アライアンスも我々もビビりすぎかもしれない。答えを知っているのは機体を駆るガバナー達だけ……。そんな感じで。
機体としてのネオテニーフライは『熱砂の暴君』参戦機体シャイアンⅡ( https://hexa-gear.com/mission_01_governors/1538/)の改造機です。
トンボっぽさに特化した前回に比べて、今回は各部を兵器らしいパーツに置き換えたことでモチーフの再現度合い自体は低下させました。この辺り、設定で「ゾアテックスの弱い凡庸な機体」という周囲の評価に結びつけています。
しかし実のところ本機はモチーフをヤゴに変更。飛び出す顎、前に向いた脚という特徴を盛り込んであります。脚も水中メカであるハイドストームのものですしね(アビスクローラーの付属パーツですが)。
つまり本機は「飛行装置で無理矢理飛ばされているヤゴ」のヘキサギアであり、「変態しきれていない器官のあるトンボ」のヘキサギアでもあり、二つが入り交じったキメラアダプトです。そこからくるスペックのちぐはぐさに邪推する者や入れ込む者がいる……というわけですね。怪しいことなんてなんにもないですよ?(視線は明後日の方角)
MISSION2のメインビジュアルがグライフということで航空戦主体だろうとヤマを張り、同じくキメラ的なアプローチをしようと決心して年末頃には形となっていた機体でした。公開されていく資料の内容を楽しみつつ、自分の予想に符合する情報を見つけることが何度かあって楽しかったですね。
キットそのものだけではなく、設定も遊び道具にできるという点。ヘキサギアの大きな長所として広まっていくと良いなと思います。
ちなみに本機は設定の通り量産機です。ウラガーン小隊以外にも部隊が居て、入れ替わり立ち替わり攻撃に参加していることでしょう。「そんな機体でぇ~?」「やるときゃやるんだぜ!?」とかのたまいつつ
とは言えカトンボなので皆さんジャンジャンバリバリ落としましょう。追い詰めると噛んでくるのでアライアンスの各員はお気をつけください。
GOVERNOR DATA
- NAMET.S.
- SNS https://twitter.com/takasugi_SPR_EX
- UPDATE2019/02/04