SPEC

機体解説

ヘキサギア

MSGに吸収された企業の一つ「白業院(びゃくごういん)」のメンバーによって開発された実験機体。特殊調整されたSANAT代理体「祈り手」を搭載している。
祈り手は機体を通じてガバナーに「接続」しガバナーの「脳」に干渉をする事が可能である。多幸感を増大させ恐怖心を消し、戦闘行為に対する高いモチベーションと満足感を与える。また意識を活性化させることで集中力を飛躍的に上昇させてゆき、擬似的に敵機が自分より「遅く」動くかのように見せる。

機体は3つの形態を使い分ける事により、様々な状況に対応することが可能である。

モード「霧吐き」
尾の生えた「ノミ」様な姿。背部のジャミングミスト発生機での濃霧の拡散に特化した形態。コンパクトに機体をたたみ小回りが利く、尾を腕の様に使い精密な動きが出来る。

モード「祈り虫」
人型の「カマキリ」の様な姿。大小二対の巨大な高周波ブレードを扱う事に特化した形態。高い攻撃能力を持ち一対多の乱戦、集団戦を得意とする。また祈り手はこの形態の時に最も口数が多くなる。

モード「暴風」
体を広げた「ムカデ」の様な姿。
ガバナーは一時的なトランス状態に陥り、祈り手もまた通常の思考を「手放す」ことで、限界まで獣性を高めた形態。予測困難な機動と凶暴性は、ゾアテックスの「更に向こう側」とも言える動きを可能とする。
しかしこの形態はガバナーの心体に大きな負担を掛けるとともに「不可逆的」な事態を招く要因ともなるため(補遺2参照)
これにリミッターを設け過度の使用を厳禁とする。

どの形態も一貫して機動性と静音性を重視しており、銃器の類は装備されていない。
通信を妨害する濃霧を大規模に展開した後、孤立した敵部隊を一人ずつ静かに刈り取っていくのが、オーバードースの基本的な戦術の一つである。


ガバナー
実験機のため特定の登録者無し


SANAT代理体
正式名称。白業院製品番号52番。第3期デュアルゾアテックスコンスーマー。
「祈り手」
白業院の調整により高い知性と倫理観を獲得しているが、思い込みの激しい面がありガバナーに対して「恋愛感情」に近いものを向ける傾向がある。
落ち着いた雰囲気の女性の声をしており、頻繁にガバナーに対してコミュニケーションをとろうとする。


補遺1

「白業院」
かつては製薬会社をフロント企業として活動していた科学カルト教団。脳科学からAI技術に至るまで幅広い分野で成功を納めていたが、その裏で「儀式」と称して異常な人体実験を繰り返してきた。
彼等はSANATこそ、自分達の祈りが「御仏」に届いた故に「産まれた」道しるべだと信じている。MSG成立の最初期に傘下に加わり多くの技術を提供した。


補遺2

リミッターの解除から平均して◼️◼️分以上を超過してしまった場合、祈り手は通常の思考に回復することが困難になる事が確認された。
これは白業院が祈り手に組み込むに成功した「根源的な欲求」が制御しきれなくなる為に発生するとみられている。つまり「食欲」と[データ削除済]である。
これらを満たす為に最も近く、効率の良い存在は搭乗しているガバナーであり、機体制御の「乗っ取り」を終えた祈り手はオーバードースの[データ削除済]をガバナーに[データ削除済]また[データ削除済]しようとする。
ガバナーはこの「行為」を生存する事が非常に困難であり97%の割合で死亡が確認されている。繰り返し行われる「咀嚼」により遺体は原形を留めていないケースが殆どである。


補遺3

「インタビュー記録」
…いいえ、本当に食べている訳ではありませんよ、そんな器官は在りませんし無意味ですからね。
そんなフリをするんです、小さな子供の[指しゃぶり]の様に、可愛いですよね。
愛しているんです彼等のことを。
でもその後はいつも酷く混乱してしまって、私に言うんです「お父様、彼が…ガバナーが見つからない」って、心が痛みます…。
ええ、もちろん実験は継続していきます。
彼女は狂っているかもしれないが、それは何か問題なのでしょうか？脳が残っている生身の兵士はまだ多く居る事ですし、彼等を有効利用しない手は無い。
「狂った」モノも「壊れた」モノも「未完成」なモノも、運用方法は無限大に存在します。私を含めて…。
全てはMSGの、SANATの為なんです。

開発主任
「宮川 黎明」

BATTLE POINT

作品応募動機・コメント

VFからも参戦したくて作りました。見慣れない種類の虫の写真やラヴクラフトの怪物のイラストなどが参考資料です。