アビスウォーカー
SPEC
TYPE | 第三世代特殊支援型ヘキサギア |
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SIZE | Standard HEXA GEAR class |
WEAPON | [ヘキサギア] ICM(インベーションカウンターメンブレン) ハンドフレイムスロワー ヒートソード ブラストリーコン 肩部レーダー ガントレットシェル(手甲) [ガバナー] アンチアビスフィルタ(防毒マスク) スカルペルピストル |
PARTS | [ヘキサギア] アビスクローラー [ガバナー] パラポーン・LAT ミラー パラポーン・エクスパンダー メガミデバイス WISM・ソルジャー スナイプ/グラップル 付属デカール 磁石(ノーブランド) [その他] ヘキサギア ミニフライングベース |
機体解説
――カタツムリ、という生物を知っているだろうか。
かつて地上に生息していた、軟体動物の一種。体は小さく、動きは鈍重。数千種が存在していたとされているが、現在はデータバンクに単語すらも残らないような、取るに足らない「失われた生命(ロストライヴス)」。
しかしその外殻は、いかなる環境においても、決して汚れることはなかったという――
アビスウォーカーは、アビスクローラーより派生した第三世代の特殊支援型ヘキサギアである。
AI制御であるヘキサギア、義体であるパラポーンが跋扈する戦場において、電子兵器はある種のリーサルウェポンである。
開戦当初よりリバティー・アライアンスの脅威となっていたハイドストームだが、一方で地下や水中といった閉鎖空間に活動区域が限定されていたため、対症療法的に運用されたアビスクローラーによってその侵攻を食い止めることに成功していた。
リバティー・アライアンスにとって真に恐れるべきは、ハイドストームに匹敵するヘキサギアが、地上を含むあらゆる戦場で広域運用される事態である。それを予見したアースクライン・バイオメカニクスでは、専属のプロジェクトチームを立ち上げ、アビスクローラー隊によるハイドストームとの交戦データの解析、およびVICブレードのリバースエンジニアリングにあたらせていたが、ICSを上回る兵器の開発は遅々として進まなかった。
開発の転機となったのは、白堊理研からの「ロストライヴス」に関する技術供与であった。
白堊理研の古いオフラインサーバーには、酔狂な研究者たちによって集められた旧時代の生物種情報が保管されている。
「ロストライヴス」と呼ばれる生物たち…その中のひとつである「カタツムリ」のバイオミメティクスにより、改良型のICSをコロイドとして装甲の表面に充填することに成功したのである。
ICM(インベーションカウンターメンブレン)と名付けられたこの特殊装甲は、瞬間的に極めて高い防御力を発揮する従来のICSとは対照的に、「広く浅く」をコンセプトとし、個々のヘキサグラムへのエネルギー負荷を大幅に軽減した。これにより、単純な耐衝撃性能はアビスクローラー本来の装甲に依存する度合いが高くなるものの、稼働時間の制約から事実上解放されたといえる。さらに、コロイドを大気中にエアロゾルとして散布することで、一種の電子迷彩(チャフ)を獲得し、副次効果としてエアロゾル内の屈折率変化による擬似的な光学迷彩をも可能としている。
ICMの試験実証機として開発されたアビスウォーカーは、堅牢なフレームの随所に過剰量のヘキサグラムを積載可能なことに加え、従来のヘキサギアを凌駕する稼働効率により、移動しながらにしてヘキサグラムを充填する「蓄電池」である。戦場の片隅にひっそりと佇み、消耗した味方機にヘキサグラムや予備の武装を供給する支援行動に特化した設計となっている。そのため、標準仕様では攻撃用兵装は一切装備していない。また、圧倒的な稼働効率の代償として、ゾアテックスモードにおける最高時速はガバナーを下回り、その鈍重さは「万が一レーダーに映っても、動いているのかどうかも分からない」と揶揄されるほど。
この致命的ともいえる欠点を補完する目的で、同機は第三世代型でありながら二足歩行形態へのシステムコンバート機能を備えている。二足歩行形態ではヘキサグラムの充填こそできないものの、「カタツムリの殻」にあたるコクピットシェルと、安定性の高い脚部による地形を選ばない機動力により、ガバナーの戦闘区域からの脱出率は飛躍的に向上する。ICMエアロゾルの中にゆらゆらと見え隠れするその人影は、さながら「深淵を歩くもの(アビス・ウォーカー)」そのものである。
本作戦では、稼働時間に不確定要素を残すレイブレード・グライフの「シークレット・トランスポーター」としての配備が予定されている。すなわち、敵にも味方にも知られず、単機でグライフの補給点となるのだ。よって今回は、単機運用のための自衛火器として、アビスクローラーの兵装を二足歩行形態用に改修して搭載している。本来であれば閉所での使用が想定されているブラストリーコンは、搭載数を一基に減らす代わりに、レーダーによる有効射程の強化が行われている。
ガバナーとして、白堊理研の研究所員「マイラ」が随伴する。「この世界は脳が作っている」という独特の持論を持っており、既に何度も全身をクローンパーツで置換しているが、脳だけは生来のままである。一流の外科医でもあり、生身で戦場に赴くガバナーも多いリバティー・アライアンス陣営では軍医に相当する仕事もこなす。彼女曰く、「死ぬのが怖い、だから楽しい」らしい。年齢不詳。
“マム、待って―”
「じゃあ歩きな。今のうちに距離稼いどくの。ドンパチ始まってから目立ちたくないし」
“マム、ヘキサグラムの充填数が不足する可能性が―”
「んなこた分かってんよ!マイマイはアタシの言うこと聞いてればいいの。
そう作ったはずなんだけどなー…」
「―ま、どうせ『魔獣』にやられたのがそこらじゅうに転がってるでしょ」
BATTLE POINT
作品応募動機・コメント
予定していた作品が間に合わなかったので、急遽この作品の設定を考えました。
前回の「熱砂の暴君」のブロックランナーに続き、今回はアビスクローラー1キットのみで二足歩行型ヘキサギアを作りました。全パーツ無改造で、ランナー等も使用していません。
ゾアテックスモードへは差し替えなしで変形します(ほぼ下半身のみですが…)。
ガバナーはガスマスクと武器のみ簡単な改造を施していますが、ヘキサギア本体はアビスクローラーの箱を買って開ければ組めます。ツイッターに簡単な分解写真と未塗装写真を掲載しています。
皆さんに真似したい!と思っていただけたら嬉しいです。
グライフくんに新鮮なヘキサグラムを届けるよ!思う存分共振励起してね!
GOVERNOR DATA
- NAMEねいねい
- SNS https://twitter.com/nei_ladybirdlab
- UPDATE2019/04/05