SPEC

機体解説

　世界と闘争の間で変転する宿命を負うV-THOR「武疾（タケハヤ）」にとり、人間と共生し、比較的穏やかに過ごした時期の姿。
　人と機械との境界に身を置く乗り手の少年「基（ハジメ）」、機械と人との間に遊ぶ少女型ロボット「ヴァーゼ」と共に、小規模旅団「砂蛍」に寝床を得て、当面は行き倒れる心配からは解放されている。
　本調整では、最初に求められた旅団の護衛役と斥候から、行商や遺棄施設の探索まで役割が拡大するに当たり、最も効果の高い足腰回りの強化が重点的に行われている。（人間達に頼られる、あるいは体よくこき使われる場面が増えたとも言う。）
　特に足部は足指から踵まで、より人体に近い構造へと刷新されており、長時間の歩行に耐える持久力に加え、絶壁の登坂から急流の渡河までも可能とする高い踏破能力を獲得している。
　また、可動関節の増加とその構造への習熟は、当機の得意とする格闘戦においても有用なものとなったが、同時に、この過程で基と共に励んだ歩行や作業訓練の経験は、強敵との死闘だけが己の成長の糧であるとする人工知能の従来の価値観にも変化をもたらした。

　しかし、強敵を必要としない束の間の修練の日々は、皮肉にも新たな強敵の襲来によって打ち破られることになる。

BATTLE POINT

作品応募動機／作品に対するコメント

　前バージョンのRev.2401までの課題であった股関節と足部の可動域の拡大に取り組んだ形態です。
　重量の都合上、ブイトール本来の股関節パーツへかかる負担が大きいため、胸骨から下の内部構造はより堅牢なものへと再構築しています。