SPEC

機体解説

　長期間の潜入任務中に自己を確立させてしまい、ジェネレーターシャフトとの接続がろくにできないまま本来の指揮系統からはじかれたことをいいことに、気軽な裏稼業生活を楽しむパラポーン・LAT ミラー 。

　そんな彼女は収支と収入のバランスの悪化に悩んでいた。
　戦場情報屋としての名前も売れ、それなりに稼いでいるが、それに比例して必要経費が嵩みつつあった。
　つまり赤字である。
　そしてそんな彼女の目に入ったのは、閑古鳥が鳴いている兼業パーツショップの店頭に並ぶスナイパーキャノンであった。

　
「……やっちゃうか？」
　

　彼女が思いついたのは新しい副業、金銭による一時的な戦力供給……つまり傭兵である。
　自身の安全を第一に考える彼女としては、戦場で擦り潰され、使い捨てにされるのはこれ以上なく遠慮したい。
　けれどご飯が食べれない、これ以上に悲しいことはそう多くない。

　そんな利益と安全の二律背反の妥協点を探り、売れ残っていたパーツ……ブロックバスターの機体を中心に。「何故かあった」ロード・インパルスの駆動系をつなげ、高速移動する自走砲として作られたのが、火力支援ヘキサギア”Alpheus（アルフェウス）”である。

　装甲は電磁砲投射時の衝撃や飛礫にさえ耐えればいいと、前面に最低限施している程度で後方フレームがむき出しなあたり、彼女の「最前線にでたくない病」の重度さがよくわかる。
　スクラップからの組み立てのためKARMAがなく変形機構はないが、超長距離精密砲撃時は射撃体勢をとり、機体を安定させることは出来る。
　タイヤしかなく「足」に当たる装備はないが、駆動系に可動部を追加しているため。悪路でもゴリラの前腕のように動かし、障害物を乗り越えることができる。
　どうしても乗り越えれない障害物は、回り込めばいいだけで、無理して通る……え、３０分以内に来ないと料金半額？　仕方ないなぁ。
　前面にレイブレードを二機装備しているので、大抵の障害物は除去出来る。
　障害物除去用であって、決して戦闘用ではない。
　大事なことだから二回言います、戦闘用ではない。
　ブロックバスター一機分の出力ではレイブレードと、スナイパーキャノンの同時戦闘出力が出せないからであって、決して前線に出たく無い病を患っているわけではないのです。ええ、ですから報酬をさげないでくださいネ。

　え？　直接火砲支援ですか。ウチそれはやってないんですよ、すみません。
　嘘言うな？　アレーデンパGAワルイナー、じゃみんぐカナー？
　はい、カウント５で榴弾ばらまきますよー………２・１・マーク！　はい、お仕事終了ー、またの依頼をお待ちしてまーす。


「迅速丁寧・明瞭会計。１発からでも結構です、ご希望の場所まで極超音速配達いたします。是非お気軽にご依頼ください」


　でも本業は情報屋、最前線での殴り合いはご勘弁！

BATTLE POINT

作品応募動機・コメント

組み換えして遊んでいたらエビみたいのが出来たので、二作品目の参加です。
よろしくお願いします。