SPEC

機体解説

「これより、作戦領域に侵入します。SANAT,許可を」
【許可します。我が名の元に、その能力を十全に発揮し、作戦を成功に導きなさい】
【ＫＡＲＭＡ全機データリンク完了、躯体の制御を開始します】

ガバナー
彼は本来、戦闘要員ではない。元々ＡＩの技術者であったが、汚染を原因とする不治の病にかかり病床に臥せっていたところをＳＡＮＡＴに勧誘され電脳体となった身である。現在の彼の職務は、ゾアテックスの解析及びにＡＩの自己認識メカニズムの解明である。ゾアテックスにおいて必要とされる自己認知が、必ずしも人のそれとは異なる事は複数の変異ＫＡＲＭＡを搭載したオールインジアースの存在によって証明されており、その違いを明らかにする事でよりゾアテックスを理解する事が彼の命題である。その為に、彼は不慣れながらもセンチネルにその意識を宿し、試験機と共に戦場に赴く。だが、侮ってはならない。彼の生み出したヘキサギアは強大であり、乗り手の不得手を補ってこそのヘキサギアなのだから。
本作戦においては、近隣の戦場で実験を行っていたところ、オールインジアースの戦闘でみせた挙動に興味深いものを感じ、必要なデータを回収する目的で作戦への参加を決意した。

ヘキサギア　ドラゴンセンチピード
複数のメインフレームを連結した異様な巨躯の大型ヘキサギア。その姿は、現在も汚染下で生き残るある種の節足動物に酷似している。それぞれのフレームに、鹵獲ＫＡＲＭＡとそれを統括するＳＡＮＡＴ代行体を収めており、それらによって複雑な機体の制御を行っている。特筆すべきはそれらのＡＩがネットワークに連結されながらも一体化されていない事であり、それぞれのＡＩが協調性を保ちながらも独自に状況を判断、一体のヘキサギアを制御するという奇怪なシステムであり、ゾアテックス発動時等に不安定な挙動を見せる事もある。これらはＡＩの自己認知の有り様の解析に必要な実験であり、さらなるゾアテックスの深度を高めるためのシステムである。全体としてのゾアテックスの挙動は極めて非感情的、かつ攻撃的であり、モーターパニッシャーのそれと似た挙動を示す。これが機体特性によるものなのか、それとも自律した複数のＡＩ制御によるものなのかは解析中であり、それこそが本機の存在意義である。
戦闘兵器としての性能に目を向けると、最高速度においては獣型ヘキサギアに及ばないものの多足による安定した高速移動が可能であり、荒れ地などにおいてもその機動性は一切損なわれない。また多足である事からペイロードも非常に大きく、重武装でありながら、同レベルの武装を施した一般的なヘキサギアを圧倒する機動性を発揮する。標準的な装備はプラズマカノン二門にミサイルランチャー二門ではあるが、必要におうじて全身のハードポイントに大量の火器が搭載可能。それに加え、尾部にフロートシステムを備えており反応の遅れがちな後ろ側のボディのフォローを行っており、前述の各ＡＩが独自に判断するシステムも相まって、およそ死角というものが存在しない。それでいながら、前面投影面積は極小の部類となる。まっすぐに敵陣に突撃後、単体で敵陣形を分断しつつ両側面にその圧倒的な火力を集中し蹂躙する、対多数戦闘において最大の戦力を発揮するだろう。
半面、防御力は標準的な第三世代の域を出ておらず、防御に回ると思わぬ脆さを露呈する欠点もある。だが、各部が独立した構造の為、多少フレームを破壊しても自切して離脱するなど、サバイバリティは非常に高い。

BATTLE POINT

作品応募動機・コメント

構造としては非常に単純ですが、やはりムカデ型っていいよね、と思い製作しました。これも大人になった資産力のなせるもの……。皆さんの発想力には後れを取りますが、やはり自分の作りたいものを作るのは楽しいですね。