キャノンボール・タラスク
SPEC
TYPE | キメラアダプト実験機・強襲任務仕様 |
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SIZE | Extra HEXA GEAR class |
WEAPON | フォールディングキャノン→エレクトロン焼夷弾(背面)×1 プラズマタロン(サブアーム先端)×2 プラズマキャノン(ストレージ上部)×2 マシンガン(頭部下)×1 A.P.A.S(背面シェル)×1 ICS(頭部側面)×2 BMI制御式サブアーム(胴体側面)×2 ヘキサグラムストレージ(サブシート後部)×2 ロケットブースター(ストレージ後部)×8 エアマニューバスラスター(ストレージ側面)×2 グラビティ・コントローラー(胴体中央下部)×1 共振励起システム(内部フレーム) |
PARTS | レイブレード・インパルス×1 ボルトレックス×1 ハイドストーム×1 デモリッション・ブルート×1 スケアクロウ×1 ブロックバスターVF仕様×1 アビスクローラー×1 アグニレイジ×1 ブースターパック001 EXユニット001 ガバナー:パラポーン・センチネル×1 ガバナー:パラポーン・エクスパンダ―×1 エクステンドアームズ07 <誘導弾 改良ホーク>×2 M.S.Gウェポンユニット03 フォールディングキャノン×1 M.S.Gメカサプライ04 プロペラントタンク<丸> |
機体解説
既存のヘキサギアを上回る超高性能機として開発されたアグニレイジであるが、その性能を最大限に発揮すべく、製造時の品質管理は非常に厳しいものとなり、要求スペックに満たない規格落ち部品が多数発生した。
それらの中で標準レベル以上の品質のものは、実験・研究用としてMSG傘下の研究機関に送られ、あるいは重要機密に属する一部の機器を代替品に置き換えたうえで結晶炉の防衛部隊や一部の情報体に下賜された。
本機はこうした「B級品」を使用し、原型機である「レッカー・タラスク」を本作戦用に改装したものである。
「レッカー・タラスク」はとある基地に所属する回収作業用ヘキサギアである。八輪駆動の装輪装甲車を模したARV(装甲回収車)モードと、ゾアテックスモードへの変形機構を備える第三世代機である。
機体フレームはボルトレックスとデモリッション・ブルートをベースとし、レイブレード・グライフの最初期型の観測記録を参考に構築されている。歩行用の四肢に加えBMIによる操作が可能なサブアームを一対備え、先端部の換装により様々な作業に対応する。
元来はキメラアダプト実験機として開発され「タラスク」の開発コードで呼ばれていたが、発現する獣性が極めて不安定であり、SANAT代理体による実戦運用は不可能であると判断された。鹵獲KARMA「Stubborn」のみがこれを運用可能と目されていたものの、誰の登録も撥ね退けたために実現せず、開発計画自体が頓挫しかけていた。しかし、補給・回収部隊の副隊長「マーサ」が「Stubborn」への登録に成功したことで状況が一変し、運用データ収集を兼ねた回収作業任務に就くこととなった。
「オールイン・ジ・アース」を巡る一連の戦闘の際は、直前の任務で大きく損傷したために間に合わなかったものの、今回の作戦には以前より計画されていた改修プランで対応可能であると判断された。そのため、下賜されて以来使用する機会もなく持て余していたアグニレイジの部材(グラビティ・コントローラー、人工筋肉等の胴体部および脚部周辺機器)及び鹵獲したレイブレード・インパルスの部材を使用して突貫作業で改修が行われた。
本作戦においては、「オールイン・ジ・アース」の残骸の回収は最初から諦めており、これを速やかに破壊することで戦闘を早期に終結させ、周辺都市の被害を最小限に食い止めることを目的としている。また、レイブレード・グライフに関しては可能な限り相手をせず、全力で振り切る方針である。これは本作戦でサブガバナーを務めるマーサの弟「ラザラス」の意向であり、追加された武装や推進装置はこれを前提としたものである。
――重装甲と大推力により機体そのものを阻止困難な「砲弾」と化し、ただオールイン・ジ・アースの残骸のみを目指して敵包囲網を強行突破、これを破壊し即座に離脱する――このプランを実現すべく、試作段階のA.P.A.Sの欠点をICSで補い正面限定ながら必要な防御力を確保し、グラビティ・コントローラーとロケットブースターにより地上付近を高速で超低空飛行することにより、対空砲の死角に入りつつ地雷等のトラップを回避するという現在の仕様が決定した。機体特性の変更に伴い、ビークルモードの呼称がICV(歩兵戦闘車)モードに変更され、機体名称も「キャノンボール(砲弾)」に改められた。
エレクトロン焼夷弾
フォールディングキャノンから投射される特殊弾体。着弾後に信管が作動し、最大で摂氏約3000℃の高熱を伴い激しく燃焼する。
プラズマ兵器と異なり本体のエネルギーに依存しないため、状況によっては取り外して使用することも可能である。弾体が燃え尽きるまでは水や消火剤はおろか、酸素を遮断しても消えないため、命中しさえすれば確実に重大な損傷を与えることができる。
本作戦では「オールイン・ジ・アース」の残骸の焼却処分に使用する予定であるが、あくまでもプラズマタロンの不調に備えた予備兵装であり、弾数は多くない。
プラズマタロン
胴部サブアーム先端に装備する格闘用兵装。アグニレイジの脚部先端部そのものである。本機で最もエネルギーを消費する兵装である。威力は最大でもオリジナルの80%程度とされるが、「オールイン・ジ・アース」の残骸を破壊するには十分である。
なお、本機が装備するものはプラズマ生成が不安定であり、作戦への支障が懸念される。
プラズマキャノン、マシンガン
プラズマキャノンはボルトレックス、マシンガンはスケアクロウから転用している。それぞれ後方・前方への牽制に使用する。
A.P.A.S
オートマチック・パリイング・アーマー・システムの略称であり、「エイパス」と発音する。実験段階の装備であり、今作戦ではデータ収集を兼ね試験的に装備する。
背面シェルは6基の装甲化したアームにより構成されており、敵の攻撃や障害物との接触に対し、各アームの配置及び角度を能動的に変化させることにより、「受け止め」ずに「受け流す」ことを目的としている。アームはある程度まで伸ばすことができ、敵の近接格闘攻撃を「払い除ける」ことも可能であるとされる。
バルクアームの操縦殻と比較して装甲面積こそ狭いものの、アームの一部が損傷あるいは脱落しても残存するアームで補うことにより防御力を維持できる利点がある。ただし、榴弾の破片や爆風のような広範囲の攻撃には完全に対応しきれない欠点も残っている。
本機のものは試作品のため、回収したアビスクローラーの部材を中心に構成されている。関節の一部にハイドストームのテンタクルアームを使用し、その柔軟性により衝撃吸収性を向上させている。
ICS
頭部側面に装備する非実体型防御システム。本機においてはA.P.A.Sで防ぎきれない散弾や小片を減速、ダメージを低減し防御性能を補完するために装備される。最終的にA.P.A.Sに組み込まれる予定であるが、試作品のため別体としている。
アビスクローラーのものをベースに出力特性を変更しており、浸徹体に対する阻止力が向上している。ヘキサグラムの消耗を抑えるため発生範囲を限定しているが、接続部でフレキシブルに可動し展開位置を適宜変更することでこれを補う。
サブアーム
胴体側面に装備する副腕。本来は作業用であり、先端部は任務に合わせて換装される。BMIによる操作が可能であるが、使用中ガバナーはほぼ無防備になるため護衛を必要とする。
本作戦では先端部をプラズマタロンに換装している。改装に際しアグニレイジの大型人工筋肉を接続基部としたため、アーム自体のトルクも飛躍的に向上している
ヘキサグラムストレージ
スケアクロウから転用したもので、サブシート後部に2基装備する。アグニレイジ由来の機能は総じてエネルギー消費が過大であるため、本機の生命線となっている。
構造の頑強さからロケットブースターとエアマニューバスラスターの接続基部も兼ねる
ロケットブースター
機体後部に装着し、燃焼終了後は投棄される固体燃料ブースター。本作戦では周辺都市への影響を考慮し、燃焼後の排気が比較的安全なアルミニウム粉末と氷を混合したテルミット系推進剤を使用する。
エアマニューバスラスター
ブロックバスターの主推進器である。本作戦ではロケットブースター点火までの移動及び空中での軌道変更に用いる。
グラビティ・コントローラー
アグニレイジの胴体ユニットごと移植された重力制御装置。「B級品」のため最大出力で使用した場合破損の恐れがあるが、本機では用途を地上付近での浮遊に限定しているため問題とはされない。
共振励起
制御系の一部にレイブレード・インパルスを使用しているため、限定的ながら使用可能であるとされる。ただしまともに起動できる保証はない
メインガバナー:マーサ
人間(アーマータイプ・センチネル着用)
若くして両親を亡くし、MSGの下請けとして資源回収を行い、女手一つでまだ幼かった弟を育て上げた。VF設立後は消息を絶った弟を探しつつ回収任務に就いていたが、とある戦場で偶然再会する。お互いもう会うことは無いと思っていたが、経緯不明の人員異動により弟と同じ基地に配属された。
基地では補給・回収部隊の副隊長を務め『レッカー屋』を名乗るが、『タラスク』の運用上の都合から便宜上戦闘部隊にも所属している。「部隊の姉ちゃん」を自称するが、若い隊員達からは姉を通り越し「母ちゃん」呼ばわりされることもしばしばである。弟の行く末が心配なあまり婚期が遅れていることは自覚しており、「いい人だと思ったやつに限ってパラポーンなんだ」などと語っている。
本作戦ではメインガバナーとして機体制御を担当するが、ガバナーとしてよりもサブアームのオペレーターとしての側面が強く、「操縦する」というよりは「指揮を行う」といった方が正確である。
サブガバナー:ラザラス
情報体(パラポーン・エクスパンダ―)
マーサとは十ほど年の離れた弟である。SANAT覚醒時はMSG管理下の都市で病に伏せており、姉に無断で情報体化しVFに参加した。生来の生真面目な性格と責任感の強さから次第に頭角を現し、エクスパンダ―を拝領した直後の戦場で姉と再会する。お互いもう会うことは無いと思っていたが、経緯不明の人員異動により姉と同じ基地に配属された。
基地では機動部隊の隊長を務める。本来なら後方支援の適性が高いものの、基地の『司令』からワンツーマンの格闘訓練を日常的に受けており、徐々に才能を開花させつつある(そもそも彼にエクスパンダ―が支給された経緯に不可解な部分があり、『司令』が一枚噛んでいる可能性を否定できない)。姉は立場上部下ということになっているが、エクスパンダ―になった今でも頭が上がらず、説教される姿がしばしば目撃される。
本作戦ではサブガバナーとして機体の周辺警戒とマーサの護衛を務める。アビスクローラーのバイティングシザースを流用したヒートグレイヴを装備する。
搭載KARMA「Stubborn」
開戦初期に工廠ごと鹵獲したボルトレックスに搭載されていたものであり、「スタボーン」と発音する。その名は「頑固者」意味する。元のガバナーの登録情報は削除されたが、その後しばらく誰の登録も受け付けず、半ば存在を忘れられ倉庫の片隅で埃を被っていた。
しかし、マーサ専属のSANAT代理体が失われたことから、急遽この『忘れられたKARMA』への登録を試みることとなった。マーサの「説得」により専属KARMAとなってからはレッカー仕様に改装されたタラスクに搭載され、共に回収任務に当たっている。
サブアームの制御に専念するマーサに代わり機体制御の殆どを担う場面も多く、戦車における車長と操縦手に近いスタイルを確立している。
「姉さん、今日は『資源ごみの日』じゃないってことは……」
「解ってるよ!『レッカー屋』は本日休業で、故障車引っ張らないでブッ壊さなきゃならねえってことはさ!」
「……ごめん、俺の我儘に付き合わせて」
「気にすんなって。たまにゃ弟の我儘聞いてやるのも『おねえちゃん』の務めさ……それにしても、ウチみたいな田舎の基地にアグニの部品なんて、よくもまああったもんだね。『B級品』だって言ってもさ」
「どうも『司令』の伝手らしいけど、俺も詳しくは知らないんだ。搬入は部署が違うからさ」
「……やっぱりあの女はタヌキだよ。お前も惚れたりするんじゃないよ?淑女ぶってるが、ありゃ見た目だけ……おおっと、今のオフレコな!」
「……姉さんは必ず俺が守るから」
「ん?何か言ったかい?」
「いや、こっちの話だよ。それより、そろそろ作戦エリアに着く頃じゃないか?」
「さぁて、時間だね。『Stubborn』、10カウント後にブースター点火用意だ。寝坊助の恐竜を安らかに永眠させてやろうじゃないか!」
「疑義あり。当機の装備では『安らかに』は困難である」
「本当にお前は頭硬いねぇ、この石頭!妙な所だけ親父にそっくりでさ!だいたい……」
「点火5秒前、3、2……」
「このせっかちめ!『キャノンボール・タラスク』出るよ!」
BATTLE POINT
作品応募動機・コメント
「戦闘が長引くほど周囲への被害も拡大する、なら本丸だけ叩けばいい」という発想に至り、そのために持てるアイデアを全て注ぎ込みました。ドラマを作りやすいようにメリットもデメリットも盛っております。
果たしてLAの、そしてグライフの猛攻を掻い潜り、任務を達成できるのでしょうか!?
GOVERNOR DATA
- NAMEA30
- SNS
- UPDATE2019/04/05